院長あいさつ

この度、令和6年7月1日をもちまして国保町立小鹿野中央病院の院長を拝命いたしました、山下拓斗です。
私は前院長と同じように自治医科大学の出身で、卒業後は秩父市立病院、飯能市名栗診療所など、埼玉県内の僻地の公的医療機関を中心に、総合診療科医として働いておりました。地域医療に携わっていくなかで、とくに患者さんの自宅に直接おもむいて必要とされている医療・ケアを提供する「在宅医療」に興味を持つに至り、1年間の専門研修を経て2014年には日本在宅医療連合学会の在宅医療専門医を取得しました。当院には同年4月から勤務を開始。就任当初は「自治医科大学卒業生の義務派遣」という形でしたが、当院や小鹿野町の保健福祉部門における在宅医療を含む地域包括ケアの体制が先人の方々の努力によって既に整っており、非常に働きやすい環境だったことに加え、在宅で調子を崩した患者さんを町立病院に入院してもらい自分が主治医として治療する、治療がすんだ患者さんが自宅に退院してからも自分が主治医として訪問診療をする、といった一貫したケアが提供できる環境に魅力を感じ、義務派遣が終了してからも当院に残り地域医療に従事する意向を固め、現在に至るまで小鹿野中央病院の医師として勤務を継続してまいりました。2024年で私が当院で働き始めてからちょうど10年になります。小鹿野町も、日本の他の多くの地域と同じように人口が減少していく、また医療をめぐる制度が変遷していくその中で、病院としての在り方を少しずつ、持続可能な形へと変化させていく必要があると感じています。環境の変化を顧みずに今の病院と同じ体制を維持することに固執して、病院が破綻してしまうような事態だけは何としても避けなければなりません。町民の皆様がこれからも安心して医療・ケアを受けられるような体制を維持するために必要なことは何なのか、院長として他のスタッフや行政、なにより町民の皆様のお力もお借りしながら、これからも考え続けていきたいと思います。歴代の院長と比べ若輩での就任となりご心配をおかけするかとは思いますが、どうぞ当院への変わらぬご支援のほど、今後ともよろしくお願い申し上げます。


                            院長 山下拓斗